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手を取られた。そして連れて行かれた先はトイレだった。
勢いよく個室の扉を開けたマコトは後ろ手で鍵を閉める。しばらく肩で息をして俺に背中を向けたままだった。
どうした?と尋ね、顔を見ようとした。けど静止される。すぐにこっちを見て、けど顔は俯いたままだ。
「おい、体調でも悪い…」
「違う、違うよ。ただ、謝っていないことに気がついたんだ。この間あんなに待たせておきながら今は自分の欲を優先させている。すまない…」
「なんだ、そんな、こと…」
「そんなことじゃない!俺だって、君に会いたかった、会いたかったからあの日約束したのに」
約束を破ってしまった、そう言った。少し長めの前髪を分けてその顔を見れば、とても申し訳なさそうに歪んでいた。まるで、警察にでも捕まったかのような、まるで、
…一番破っちゃいけない約束破った、みたい、な…
俺は、極々自然な動きで、マコトを抱きしめていた。
マコトはびっくりしたみたいで、肩をビクつかせた。驚いてるのは俺もだ。こんな風に自分から抱きしめるなんて久しぶりで、少なくともここ数年はやったことがなかった。
やったとしても、それはサービスか、意識してか、で。
無意識なんていうのは。
「俺、別にいいよ。確かに待ったけど、会えないと思ったのにまた会えてるし」
まぁ確かにお前と新に繋がりがあったのはびっくりしたけど、そんなもの、
「客である分には別にいいだろ?トクベツな関係にならなければ、全然いいだろうし」
「失望は、した?こっちから誘ったのに」
「そりゃしたぜ?でもまぁ今思えば俺を待たせた人間なんてお前だけだぜ?」
「それは、まぁ、なんというか、ラッキー?」
「それに俺、お前とセックスするの好きなんだ。あぁ、そういえば誰か思い出して疼いたのも」
ーーーお前がハジメテ
耳元で呟けば、お互い熱を持ったのは言うまでもない。
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