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マコトは店を出るとすぐに停めてあった車に俺を押し込んだ。
前に見たときと車種は変わっていなくて、前と同じ香水の匂いがした。キツくない上品な香り。
…マコトの服と同じ匂いだ…
だけど今は悠長にそんなことを思っている状況じゃない。
マコトはとっとと車を発進させて猛スピードでネオン街を駆け抜けていった。軽く暴走車だから警察に捕まらないかこっちがヒヤヒヤしたくらいだ。
「おいマコト!急にどうしたんだよっ」
そう聞いても返してくれなかった。黙ってハンドルを握って前を見たまま。
何が隣の男を怒らせたかわからない俺はただただ黙っているしかなかった。
しばらくしてなんとなく見覚えのあるところに来たとき、ようやくマコトも落ち着いたのかすまない、と小さく声も漏らした。
「あの男があまりにも君に馴れ馴れしいからつい…」
「まぁ別にいいけどよ…あっちからしたらお前もじゅうぶん馴れ馴れしかったと思うぞ?」
「それ以上に君を商品扱いしたのが!俺は嫌だったんだ!」
俺の声をかき消すようにマコトは怒鳴った。ちょうど信号は赤。すぐさまこっちを向いて助手席に座る俺に顔を近づけた。
「んぅっ!ぁ………ん、ふぁ……!」
「……ん……俺は、君を、シンを、商品扱いなんてしたくないんだ」
そう言うマコトの顔は、ひどく
「だって君は、俺のものだ。だって俺が一番最初に君を見つけた」
幸せそうで。
「今から俺のうち行くけど、いいだろう?」
「…勝手にしろよ」
「ありがとう、じゃあ勝手にさせてもらう」
かさりと胸に抱いた紙袋が音を立てた。それは俺がマコトにキスを返すために動いたからだった。
信号は青になる。そういえば前にもこういうことあったなとぼぉっとしながら思っていた。
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