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バーの所に行くと、入口の階段のとこに万智がいた。ちなみに今更。万智のバーは半地下構造になっている。
「あ、今日定休か」
「そうだよー、感謝してほしいね」
「はいはい悪うございました…ってか、お前ここに住んでんだからいいじゃねぇか」
「だけどこんな寒い日に外で待ってたんだよ、ちょっとくらい感謝してくれたっていいよねー!?」
はいはい、と俺がそう言う万智をあしらってると、あれ、と聞き覚えのある声がした。振り返れば、長門の隣に背の高い男がいる。そしてギャルソン姿じゃない万智に
「今日はやってないの?マスター」
と言った。相変わらずの整った顔に洒落た私服。そして落ち着いた心地いい声。
手には大きめの有名ブランドロゴの袋がある。
俺は突然のマコトに少しびっくりしてポケッとした。
それに気がついたマコトはやぁと軽く笑って久しぶりと声をかけてきた。
久し、ぶり、と返せば
「ちょうど会えて良かった。これ、シンにあげるよ」
「え、な、急に何」
「この間買い物してたらいいコートを見つけてね。君がきてるのを想像したら支払いを染ませていたよ。だから、はい、受け取って」
「……中見ていい」
「もちろん。きっと似合うよ」
開けて見ると紺のダッフルコートで、確かに俺好みだ。よくわかったなという感心して受け取る。素直に嬉しかった。
…むしろどストライクすぎて怖いくらい。
それを見てた長門と万智が何かこそこそ話してるけどまぁ気にしない。
どうせブランドがいいとこのだから羨ましいんだろう。
「それよりも…今日はやってないんだ?」
「ええ、今日は少し。すみません」
「いや、いいんだよ。確認してない俺も悪かったしね。でも弱ったなぁ…夕飯が…」
「なんだ、ここで食べるつもりだったのか?」
「うん、万智くんのご飯美味しいしね、それにシンがいたら一緒に食べに行こうと思ってたから」
それじゃあ、と俺は思わず
「うちこいよ。今日は寄せ鍋なんだ」
と誘っていた。万智もどうだ?と言って、面食らったマコトの返事は返ってこなかったけど、万智はすぐに「じゃあ、行かせてもらおうかな」と了承した。
マコトは?と小首傾げれば顔を両手で覆いつつ「行かせてください…」と言う。
いい大人がなんて顔してんだか。
だいたいうちには新もいんだぞ、そこわかってんのかね。
「じゃあ、行こう。いい加減寒いわ」
と、俺が足を動かした時、背後からまた声がした。
「それ、俺も行っていいかな?」
その声には、かなり聞き覚えがあった。
確か…どこぞのゲイ社長の声だった気がスルゾ。
それも
…俺にプレゼントとか言ってベビードール渡してくるような変態社長!!
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