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「え、」
急に耳に入ってきた、声。
驚いた俺は反射的に後ずさるが、後ろから声をかけてきたためにより一層近づいただけだった。
「俺に用事?」
ゆっくりと至近距離にあるであろう顔を振り返る。
「あ、柏葉。」
そこには今まさに探そうとしていた人が俺の顔を覗き込むようにして立っていた。
「斎藤、助かった。」
「なんだよ、俺いらなかったじゃん。」
「いや、そうでもないぞ?」
俺じゃ真咲の居そうな場所なんて分かんなかったし。
俺の顔の高さに合わせて中腰の体制で、俺を挟んで斎藤と話す柏葉。
パニックになりすぎて振り返ったまま固まる俺。
ーーーーーどうするべきか。すぐに距離を取るべきだ。しかしこんなに近づくことがこれからあるのか。
頭の中でこのよく分かっていない状況を打破するためにぐるぐる回る思考。離れたい。離れたくない。
「ぁ、」
許容量を完全にオーバーした俺は小さく呻いてとりあえず落ち着くために動かない足を無理矢理動かして距離を取るが結局それは叶うことはなかった。
「真咲、どこ行くの?」
顔は爽やかな笑顔だが、声が、どこか怒っている。
見上げる顔は相変わらずかっこよくて見惚れる、じゃなくて、どこか掴まれてるわけでもないのに強制力のある声につい従ってしまう。
「柏葉、怖いぞ。マサキがビビってるって。」
斎藤がフォローを入れてはくれたが、それでもどこか、怖い。
「ちょっとお仕置きしないといけないからこのまま真咲貰っていくわ。」
斎藤のフォローもさらっと無視して、ついでに俺の意思も無視して、俺の肩を抱いて逃げられないように歩き出す柏葉について行くしか選択肢はなかった。
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