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「おい、本当に大丈夫か?」
斎藤に対する返事が曖昧だったことに気づいたのだろうか。
それほどこの男と親しく付き合ってはいない。むしろほとんど接点は皆無だと言っていいだろう。
「だ、大丈夫、です。あの、ありが、とう。」
例え社交辞令だとしても。気にかけてもらっているとわかる言葉を受け取る事は嬉しい。この男からなら尚更。
緊張と人見知りとが相まってどもってしまったが、それを気にした風でもなく、そうか、と言って視線を斎藤へ移した。
「お前、自分の身長考えろよ、人混みだとついていけないんだから。」
「すっかり忘れててさー、置いていってごめんな?マサキ。」
もう1度大丈夫だと返してから2人を見る。
180近くはあるだろう2人は並ぶとそこだけ空間が違うように感じる。
対して170弱の俺はどう頑張っても横に並びたてない。(何度もいうが、けして小さい訳では無い。)
「じゃあ席とろうぜ!!腹減ったー」
斎藤の言葉で席を探し出す2人を後ろから呼び止める。
「ごめん、俺もレポートあるの忘れてたから昼は一緒に食べれない。」
それじゃあ、と言って2人の反応を待たずに踵を返す。
斎藤の横で鋭い視線を寄越す男に気づかないふりをしながら。
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