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回避
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食堂を出て広いキャンパス内を人の流れに逆らってひたすらに歩く。
ちょうど昼休みに入ったばかりで、昼食を取るために行くところと言えば自ずと集中するのは食堂かカフェスペースだろう。
人混みから離れるように、わざと人がいないところへ、歩くのは相当なことではないだろうか。
歩く、というよりはほぼ走るに近いような形で人をかき分ける俺はその"相当"な理由があるひとりである。
遠く、できるだけ遠くに。
視界に入らない、気づかれることのないところへ。
いつも心の中で呪文のように自分に言い聞かせる言葉を今日も唱えながら、息を切らせて走る。
手に入らないとわかっているなら、いっそこれ以上欲しがらないように。
そう思うのに、今日は1番近くに来てしまった。(それどころかアノ体制を形容するなら抱きとめられた、だろう。)
彼-------柏葉 絢也(かしわば じゅんや)がまさか現れるなんて思ってもいなかったのだ。
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