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結局昼を逃した俺はそのまま次の講義のある教室まで行った。
元々食欲もなかったし、昼一食ぐらい抜いたところで倒れるほど飢えてもいない。日本という国は平和である。
話がそれたが、そんな訳で階段教室とよく言われる大きめの講義室(すべての学部が選択できる選択授業であるため相当な人数がいる)の後ろの方でひっそりとひとりで座っていた。
のだが。
「お前、ちゃっかり彼女隣キープとか自慢かよ!!」
「本当にいつまでもイチャつきやがって!」
「僻むなよ。ヨユーないことするからモテねーんだよ。」
「余裕もって落ち着いてるイケメンが最後に笑うことが証明されたじゃねーか…。」
俺の座っている4段下程に斎藤とそのグループの男3人、そして柏葉とその彼女が固まって座っている。
柏葉と彼女が隣同士で座っているのを後ろから見る俺。
頭を抱えるとはこういうことだな、と少しズレた思考になってしまうぐらい、心の中は嵐である。
この光景を見ると安易に履修してしまったあのときの自分が恨めしく思う。
柏葉がいるだけで取るものではなかった。
あのときの俺は彼女が一緒にいることなんて全く気にかけていなかった。
知っていたならこの光景を予測することぐらいできたはずだ。
むしろ、その可能性の方が確率が高い。
後悔先に立たずである。
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