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気にはなるのだが、これ以上見ていたところで余計に苦しくなるだけだ。
そう思って視界の外へ外すと共に脳内の隅にも追いやる。
ここで向こうに見つかると厄介なので一緒に気配も消そうと心掛ける。
「ほんとにお前、ラブラブで羨ましいよ!」
「さすが、斎藤。モテるお前は余裕があっていいよな…。」
「そうそう。」
「この光景を何故羨ましいと本人達の前で言えるんだよ。」
「深く考えてないからだろ。」
聞こえない、全然聞こえない。
「そこがいいらしいぞ、女は。」
「よくわからんな。」
「同感。天然って可愛いよね、みたいな?」
「お前らうるさすぎ。教授こっち見てるぞ。」
反応するな、俺。
「流石に騒ぎ過ぎだって。一応講義中だぞ。」
「そうだね、楽しいけどあんまり騒ぐと迷惑になっちゃう。ね、"絢也くん"?」
その声を聞いた瞬間、すべての雑音が消えた気がした。
何かに亀裂が入った感覚。
ーーーーーーーーああ、今1番聞きたくなかった言葉で声だよ。
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