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「その質問に答えるよ。」
柏葉は不敵なという言葉がピッタリであろう笑いを顔に乗せて俺を見据える。
この男のこういう有無を言わせない表情をするところが、俺にとって少し、怖い。
「真咲に、付き合ってほしい。」
階段教室の真ん中よりも少し後ろ。
いつもの俺の指定席。
そこから見える景色には授業中に後ろ姿しか拝めない男の食えない顔と、大学の簡素な教室すらも背景にしてしまえるほどのスタイルで俺だけの目に写っていた。
「どうしても、お前だけなんだ。」
ーーーーーーーああ、神様はなんて残酷なのだろうか。
空がだんだんと赤くなり、日が傾く。
世界を照らす紅色が俺と、柏葉と、教室を包み込むように迫っていた。
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