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ふわふわする思考の中、俺はただただ斎藤に着いて食堂に入る。
横で先程の対応は何だったのか、と疑いたくなるぐらい賑やかに喋り出す斎藤の話を適当に聞き流す。
そもそもあまり頭が回らないから内容を脳で理解する前に通り抜けてしまうというのが正しい表現だろう。
「俺、今日は食堂だし、ちょっと先に買ってくる!マサキは?」
時計を気にしながら問いかける斎藤。昼休みを10分ほど過ぎたところであり、少し遅いと判断したのか先に買いに行った方が良いと考えたのだろう。
「…いや、俺はいい。ここに残っておくよ。」
だから行ってこいと斎藤に言う。
ありがとうと、小走りで食堂にできた食券の列に並びにいく斎藤を見つめながら席取りのためにテーブルに座る。
いつも節約のために出来るだけ自炊しているため、昼は大体昨日の夜の残りを弁当箱に詰めて持ってくる。
しかし昨日は夜を作らなかったため、今日はどこかで買うか、食堂ですませてしまう必要がある。
それも今は食欲がないので買うこともない。
柏葉には今日中にきちんと断りを入れなければ。
早めに言わないともし俺が人数合わせのために呼んだなら(ほぼそれで間違いないだろうが)また空いた枠を探さないといけないだろう。
そうなると俺が断わらなければまた次を誘うこともできない。
そんなところで迷惑をかけないためにも、俺は何としても今言いたいのだ。
柏葉と、話すことができたのは素直にとても嬉しかった。
だから、もう、それだけで充分。
それ以上は望まないし、望んではいけない。
柏葉にどう切り出すか、考える。
視界が回るような気がするが、気のせいだろう。
直接2人きりで話したのは昨日が初めてだったのだ。
対応に困る。ましてやこちらは少なからず好意を抱いたいているのだから。
そして思いだした。
ーーーーーたぶん、まともに話せないということに。
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