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黒い感情
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人間一人が壊れるのは案外あっという間だった。始めがどうあれ、引き金(トリガー)さえあれば簡単に壊れるような脆い精神構造だ。
自分がいつどこで壊れたかなんてもう思い出せない。気がついたらずっと長い暗闇のトンネルをただひたすら歩いているような気分だ。そこには光なんかない。あるのは深い絶望だ。その絶望の中で自分はただ生きた振りを続けた。
――はじめに小さい物から刻んだ。何を始めるにも度胸は必要だ。はじめは上手くいかないものだ。だけど、今ここで止めたらせっかく始めたばかりの復讐劇(ゲーム)が無駄になる。だから繰り返し練習して自分の中で度胸をつけた。
犯罪心理学に基ずいたことを自分もしたまでだ。生き物を刻むのは自分でも抵抗があった。だけどそんなのは初めだけ。気がついたらそんなものは慣れていた。
生き物を刻んでる時、私は不意に考えていた。これが 『あいつら』 だったらなって考えた。そう考えると別の高揚感が自分を満たした。もうその時には何かが壊れていた。そして、徐々に自分の精神は蝕んでいった。
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