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支配者
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「――でも、悠真は死んだりしないから安心して。私が愛情を注いで大切に可愛いがってあげるよ。それこそ、他人が見たら嫉妬してしまうほどにね?」
『ふざけんなっ!!』
掴まれた頭を無理やり振りほどこうとして、抵抗して暴れた。すると彼の左頬にナイフが掠れて切れた。その拍子に赤い血が頬に流れた。
「くっ……!!」
「ほら、悠真が勝手に暴れるから可愛い顔が台無しだ。でも、傷ついたキミの姿も堪らなく素敵だよ。さあ、今からお昼にしよう。悠真はあれから、何も食べていないからね。だから私が、心を込めて温かいスープを作ってあげたよ?」
「ッ…――!」
仮面の男はそう言って耳元で話すと、料理のお皿が乗ったワゴンをカラカラと運んできた。そして、彼の前でお皿に温かいスープを注いだ。二人だけの異常な時間が過ぎていく、一秒づつ時間が過ぎる度に悠真にはそれが苦痛だった。
目の前にいる男は頭がイカれていた。そして、自分を監禁して、レイプや暴力を振った癖に何とも思ってないような素振りで平然としていた。マトモじゃない相手と長く居ればいるほど、精神的な苦痛が増した。ベッドの上に小さなテーブルを置くと、仮面の男は温かいスープをテーブルの上に乗せた。そして、それを食べなさいと命令した。
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