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終わらない悪夢
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「やあ、目が覚めたかい?」
「ッ……!?」
仮面の男はドア越しで話しかけてきた。そして、部屋に入ってくると、手には救急箱を持っていた。
「この野郎…――! 俺をこんな目に遭わせやがって、ぜってぇ殺してやるっ!!」
悠真は身体の自由を奪われてもなお、好戦的な態度で相手を睨み付けた。仮面の男はクスッと笑うとそのまま彼に近づいた。
「ってめぇ、何がおかしい……!?」
「いや、別に……。ただキミはどんな目に遭わされてもタフな精神的持主なんだなと思ってね?」
「何ッ……!?」
仮面の男はそう言って興味み気に話した。そして、彼の隣に立つと救急箱を側にあったテーブルの上に置いて蓋を開けた。
「この悪趣味野郎! 俺の両手を縛りやがって、今すぐこれをほどけ!」
「手錠を外せだって? 今にも噛みついて来そうな猛獣を相手に鎖を外すと思ったか? まあ、キミがもう少し大人しくしてくれたら、外してあげてもいいけど。それじゃ、無理だろ?」
「くっ……!」
「キミは私に『殺意』を抱いてるからね。その鎖を今、外したら何をするかわからない。違うか?」
そう言って答えると、蓋を開けた救急箱の中から消毒液とピンセットを取った。そして、それを手に悠真の体についた傷を消毒し始めた。
「クソッ! やめろ、俺に触るな!」
「ほら、大人しくしないと消毒が出来ないじゃないか。こんなに体に傷をつけて、私の可愛い悠真が何てザマだ…――」
「ッ、誰がテメェの……!」
「おっと、悠真。大人しくしないとまたお仕置だよ?」
仮面の男は彼の前でスタンガンを見せると、バチバチと音を鳴らせた。悠真は全身がビクつくとゴクリと息を呑んだ。
「良い子だ。さあ、大人しくしてなさい」
「クソッ……!」
そこで脅されると、下唇を噛み締めて怒りを堪えた。そして、そうしてるうちに彼の体についた傷を消毒したのだった。
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