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1ー16
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「叔父様の中で映る全てが紛い物なの。崩壊する事が本物…」
彼女は切ない表情をし、天井に映る過去を眺めた。
「崩壊させる前に器を探す…ふふっ、正に“寄生虫”。目の前の獲物に集る蝿よ、屍を食べ尽くす蛆虫よ…」
蝿は獲物に卵を産み付け、蛆はソレを主食とし。中から食べていく。
確かにクラエル王がウリエルの肉体を手に入れたら同じなんだろう。異端天使の力を貯蓄した大天使の身体は、備わっている力を越える可能性も高い。
しかし、ウリエルは両親が神と大天使という特別な存在から生まれてきている。
身に秘める力は、さぞかし甘美に決まっている。
「生理的に受け付けないのは、彼の独特な香りのせいだと解りました…」
「暗い暗い闇の中で…ひっそりと…息をしている魔に堕ちた魔物。魔族が一番嫌う者…」
魔に堕ちた魔物…。
手に負えないのではなく、敢えて触れたくもない存在ですよ。
『崩壊』でしか優越感に浸れない者を魔族とは扱わない。亡きセリオン様が作った掟であり、魔界全土で守られている事です。
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