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友達
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まず、何処から行こうか。つっても、佐伯は歩いてるわけじゃないし、見えてもないから、
ここはこういうとこだよと言っても、ひとりじゃ来れないし、分からないだろう。
だから、考えた。
夕葉「佐伯。」
綺月「なにっ?」
夕葉「図書室行って、三十分間話そうか。」
綺月「いいの?」
夕葉「うん。」
綺月「うんっ、そうする!
どうせ、学校案内してもらっても行けないしねぇ‥‥。」
夕葉「‥‥よし、行くか。」
綺月「うんっ。」
────────
放課後なので、やっぱ生徒は誰ひとりいない。
ここってこんなに広いんだなって分かる。
とりあえず佐伯をドアの手前にある椅子に移動させて、その正面に俺が座る。
夕葉「よし、何話そうか。」
綺月「ん〜、どうしよう?」
夕葉「じゃあ、質問。
佐伯ってどうして転校してきたの?」
綺月「えっとねー、
僕、生まれたときから目が見えなくて、
保育園と小学校5年生までは障害者用の学校に行ってたんだ。でも、小5年の時に、病気になったこととお父さんの仕事の関係で、引っ越すことになったんだ。」
夕葉「へぇ。なら、中一の時はどこにいたんだ?」
綺月「えっとね、小5から中一にかけて、引越し先の近くにある、普通の学校に通ってたんだ。障害者用の学校が無かったから。
でも、中1の最後。僕はイジメにあってて、自殺しようとしたんだ。
でも、目が見えないからどこにいるか分からなくて、何をしていいか分からなくて、失敗したんだ。それで、そこから少し離れたこの学校に転入してきたんだよ。」
夕葉「‥‥なんか、嫌な話させたな。」
綺月「‥‥ううん、そんなことないよっ。
それじゃあ、僕からのお願い聞いてくれる?」
夕葉「あぁ、できる限りのことならいいよ。」
綺月「僕と友達になってくれる?」
夕葉「えっ?そんなことでいいのか?」
綺月「ボクにとってはそんな事じゃないよ。
っていっても、メールとかLINEとか何もできないから、ただ話すだけだけどね。」
夕葉「いいよ。話すこと以外にも、楽しいこと、教えてやるよ。」
綺月「ふふっ、楽しみだな。」
夕葉「じゃあ、綺月。」
綺月「えっ?」
夕葉「友達だろ?名前で呼ぼうぜ。
俺のことは夕葉って呼んで。」
綺月「ゆう、は?
嬉しい、初めてだよ。名前で呼び合うの。」
夕葉「そうか。良かった。」
綺月「改めて、宜しくね、夕葉!」
夕葉「宜しくな、綺月。」
────────
それから何分か話して、俺達は特別クラスに戻った。そして、また明日と言って、家に帰った。
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