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雨の音
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夕葉「綺月‥‥」
綺月「あっ、その声は夕葉かな?
部活お疲れ様。」
夕葉「ありがとう。
どうしてここにいたの?」
綺月がいたのは、下駄箱の前。
何時もなら特別教室にいるのに。
綺月「1人でここまで来れるようになったんだ、
だから、知って欲しくて」
微笑む綺月は、
いつもより純粋に、キレイだと思った。
綺月「雨‥‥なの?」
夕葉「そうだよ、傘もってきた?」
綺月「持ってない‥‥。
ごめんね。」
夕葉「そっか、俺の傘一緒に入る?」
綺月「いいの?」
驚いたような顔をした綺月に、
こっちまで驚いた。
夕葉「どうして?全然いいよ。」
綺月「ありがとう、じゃあ、帰ろっか」
夕葉「うん。」
いつもの様に車椅子を押すんだけど、
今日はいつもと少し違う。
俺の持ってる少し大きめの傘を、
座ってる綺月が持ってる。
綺月「11月1日。」
夕葉「え?」
綺月「手術が終わるのは午後4時30分。」
夕葉「目の事か?」
綺月「包帯が取れるのは11月11日。
ポッキーの日だったっけ?」
夕葉「うん。」
綺月「夕葉、僕ね、後一週間ちょっとで入院するんだよ。」
夕葉「えっ?」
綺月「手術する前に、目の検査とか色々しないといけないって。」
夕葉「そうなんだ‥‥」
綺月「うん、でもね、楽しみだよ。」
夕葉「そうか‥‥」
綺月「夕葉、11月11日、
僕のいる病院に会いに来てくれる?」
夕葉「いいよ。」
綺月「ありがとう、話したいことがあるんだ、
目を合わせて。」
夕葉「わかった。」
そんな話をしてたら、あっという間に
綺月の家に着いた。
いつもの様に挨拶をして、
自分の家へと向かう。
目を合わせて話したいこと。
意味なんか、知らなかった。
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