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「……ただいまー」
朔斗にも、ちゃんと言わなきゃな…
自分の部屋に行って、部屋着に着替えてリビングに行く
「あら、葵ちゃんおかえりなさい」
「ただいま、母さん……朔は?」
「お風呂じゃないかしら?」
「…そっか」
「もうちょっとでご飯できるから待っててね」
「うん、わかった」
俺はソファに座ってテレビを見ることにした
父さんはいつも20時くらいに帰ってくる
早い時は18時半くらいに帰ってくる
父さんの仕事は本の編集をしている
だいたい、小説が多いらしいけどたまにブログ本とかを担当することもあるらしい
テレビではカフェ特集の番組があっていた
カフェか……やっぱり、バイトしようかな…
うん、夏休みからしよ……
「帰ってたんだ…おかえり」
「ん、ただいま」
朔斗は風呂から上がってきて、頭をタオルで拭きながら歩いてきた
俺も風呂入ろっかな……
下着を取りに行こうと、部屋に戻った
そのまま風呂場に直行してさっと風呂に入った
ご飯も食べて、朔斗と一緒に部屋に戻った
朔斗は布団の中に入って漫画を読みはじめた
…緊張する……
「………さく、と…」
「…ん?」
「……あの、さ……」
「…うん」
「……俺、好きな人ができた…んだ…」
「…うん………ん?…は、え…?」
「だから…俺、好きな人ができた」
「…ッ……誰」
「……………」
これは、言ったがいいのかな……
けど…朔斗、悠のこと……
「………深瀬?」
「…ッ………」
「…やっぱり。けど、深瀬はやめとけ」
「……なんで…」
「葵も知ってるだろ、あいつ遊び人って…女でも男でも誰でもいいんだよ」
「……………」
知ってる……知ってるけど…それでも好き…
言いたいのに、声にならない
俺は俯いてしまった
「…葵、もう一回言うけど……あいつだけはやめとけ。俺は葵が傷ついてる姿なんて見たくない…」
朔斗は寝ていた身体を起こして、俺の肩に額を当てるように頭をのせた
「……ごめん、朔斗…けど、俺やっぱり好き…なんだ……」
「……ッ……葵の…ばかやろ…」
「……うん…」
ぎゅっと俺の腹に腕をまわしてきた
「…朔、寝よ」
「…………」
朔斗は答えなかった
どうする、かな……
「……なんで、深瀬なの…」
「…えっ…?」
「俺のほうが葵のこと好きだし……昔から好きだしっ…!!…嫌だ……俺のほうがいっぱい好きだし…」
「…………」
なんて、言ったらいいかわからない……
…こういう時、なんて言ったらいいんだろ…
どうしたらいいかわからず、俺は朔斗の頭を撫でた
「……ごめん…」
「…謝んなっ……ばか…」
「……ん…ごめん…」
俺の腹にまわされている腕の力が強まる
俺だって、朔斗が好き……けど、それは兄弟としてであって恋愛感情じゃない…
……ごめん…朔斗………
「…朔斗、寝よ…?」
「…………」
朔斗はなにも言わずに横になって布団に入った
俺も同じく布団の中に入り電気を消す
すると朔斗が抱きついてきた
俺は、そのまま…眠りについた
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