アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
わからないモヤモヤ
-
次の日
朝、下駄箱で葵が何か隠していた…紙切れみたいものを
何もなければ、それはそれでいいんだけど…
教室についてから、葵と話していると陽樹が来た
「お二人さん、おーはよっ」
「おはよ、陽樹」
「…おはよ」
やっぱり…なんかちょっと顔見づらいな……
思い出してしまうというか…
…正直恥ずかしい
「ん?なんか朔斗元気ない?」
「あ…いや、元気……」
「そっか…ならよかった」
ポンポンと頭を撫でられる
…葵にするのは恥ずかしくないし、されるのもあまり恥ずかしくない……
けど、なんか陽樹に撫でられると恥ずかしい…
「……なんか、二人…前より仲良くなったね」
「「………」」
葵は笑顔でそんなことを言ってきた
いやまぁ、仲良く見えるなら嬉しいけど…仲良くっていうより…俺が意識してると言いますか……
「だろ〜?俺らもっと仲良くなったんだぜ〜♪」
「そっか!俺も二人が仲良くなるのは嬉しいよ」
「俺、葵とももっと仲良くなりたいけど?」
あれ……
「うん、俺も!またバスケしたいな」
「おぉ!しようぜ!」
……なんで、モヤモヤするんだろ…
「また陽樹んち遊び行ってい?」
「おう!いつでも来いよ〜♪」
おかしい…だって……俺は陽樹のこと友達としてッ……
「……朔斗?」
陽樹が俺の名前を呼んだ
心臓がドキッと跳ねる
俺は…葵のことが好きで……葵のことが…
「…朔、どうかした?具合悪い?」
「……あ、いや…大丈夫…」
「……あー、俺そろそろ戻るな。またな!」
「あ、うん…またね、陽樹」
陽樹は自分の教室に戻って行った
俺は…よくわからない……自分自身が、わからない…
葵のことは好きだ
キスもしたいし、それ以上のこともしたい
けどさっき……葵に対してじゃなくて、陽樹に対してモヤモヤした…
「朔、ほんとに大丈夫?」
葵は俺の顔を覗き込んで心配そうな顔で見てきた
「ん、大丈夫…ありがとな」
「んーん、大丈夫ならよかった…」
俺がそう言うと安心したような顔をした
昼休み
「朔、ちょっと職員室行ってくるから先食べてて」
「おう、わかった」
俺は葵を待った
先に食べても良かったけど……やっぱ、葵と食べたいし
けど、葵はなかなか戻ってこなかった
…遅い……
俺は弁当を二人分持って、葵を探しまわった
…見つけた
葵は深瀬といた
「…いた……葵!」
葵は俺の方を向いた
…あーあ……また泣いたのか
葵は目に涙が溜まっていたし、目尻が少し赤かった
「葵、こんなとこでなにしてんの…昼まだ食べてないだろ、戻ろ」
葵はコクっと頷いて、俺にされるがままだった
けど…
「……離せよ」
葵のもう片方の腕を深瀬が掴んでいた
ほんと、こいつ見てるとイライラする…
「…葵が嫌がってんのがわかんねぇのかよ」
そう言うと、深瀬は掴んでいた腕の力を緩めていった
最初からわかるだろ、それくらい
それを見て俺は葵の腕を引いてその場から去った
向かったのは中庭
さすがに、葵のこの状態で教室では弁当食べれないだろうし
「……朔斗、ありがと…」
「…ん……飯、食べよ」
「…うん」
葵は俺が渡した弁当を静かに食べ始めた
「ありがと…待っててくれて……」
「おうっ…だって俺、葵と食べたかったし」
俺がそう言うと葵は笑顔になった
……よかった
それから、昼休みが終わるまで中庭にいた
5限目が終わった休み時間に深瀬は葵に話しかけてきた
けど、葵は目を逸らして嘘をついて足早にどこかへ行ってしまった
それからも、6限目が終わった後、掃除の時間、放課後、深瀬は話しかけようとしていた
葵はというと隠れたり、逃げたりして避けていた
そんな顔したら深瀬も話しかけれずにはいられないだろなって思った
…深瀬の味方をするつもりはないけど
「…………好きだよ……」
家に帰り、風呂から上がって葵の部屋に入ろうとしたら小さい声だけど確かにそう聞こえた
……俺はまた下に戻って少し経ってから部屋に行った
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
67 / 85