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あぁ…もう…勘弁してくれよ……
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「…葵、次移動教室」
「……あ、うん…ごめん」
最近、ずっとこんな調子だ
ボーッとしていて、上の空
あの日から…深瀬と関わらないのはいいと俺は思う
けど、それで葵が元気がないのは目に見えてわかる…
「……はぁ…」
「ため息ついてると、幸せ逃げるぞ〜」
「ッ…陽樹」
「最近、葵も元気ないよな」
「……あ、うん…」
「葵、なんかあったの?」
「…………」
「…朔斗?」
なんだか、モヤモヤする
陽樹が葵の心配してるのは…友達として当然だし、俺だって葵のこと心配している
「…俺も知らない……」
「そっか」
「…悪い。俺もう行くから」
「え、あ…おう…」
感じ悪かったかな…
なんで俺こんなにイライラしてんだろ…
俺はこのわからないモヤモヤ、イライラを振り払い家に帰った
「……朔、なんかあった?」
「…え」
「…なんか、あったでしょ」
葵はそう言いながら距離を詰めてきた
「…別に、なんもない」
そう言ったと同時に葵がぎゅっと抱きしめてきた
……落ち着く、な…
やっぱ、双子ってなんでもわかんのかな
「俺も、朔といると落ち着くよ…」
「さすが双子、だな……ありがとな、葵…」
「んー?」
「わかってるくせに」
葵がくすくす笑って、俺もつられて笑ってしまった
「……葵も…なんかあったら言えよ」
「うん…ありがとう」
お互いに、ぎゅっと抱きしめる
次の日
いつものように葵と登校する
「おっはよ」
後ろから俺と葵の肩に腕を回してきた
どんな顔したらいいんだろ…
「おはよ、陽樹」
葵が陽樹に返した
俺は………
「……悪い、俺先行く…」
足早にその場を去った
…避けてしまった
俺、今どんな顔してんだろうな…ひどい顔してんのかな
なんで避けたんだろ
陽樹は何もしてない…俺だって怒って……ない
ただ…どんな顔して話していいのかわからない
こんなことしたら余計会いづらくなるのに……なにしてんだよ、俺…
「…朔ッ」
「……葵」
「どうしたの、いきなり」
「…………」
葵は俺を追いかけてきたみたいだった
…なんて言おう
「陽樹と喧嘩したの?」
「…そういう訳じゃ……ない」
「…陽樹、心配してたよ」
「…………」
わかってる……けどさ、俺の心配じゃなくて葵の心配なんじゃねーの?
いつもいつも、会っても葵のことばっかり
俺の事好きとか言ってたけどほんとは葵のことが好きなんじゃねーの?
……あぁ…もう…勘弁してくれよ……
これじゃあ…俺が陽樹のこと好きみたいじゃん……
いや、俺は葵のことが…好きなんだ…
俺は自分に言い聞かせるように心の中でそう呟いた
昼休みになって葵と昼飯を食べていたら呼び出された
知らない女から
別に女に興味ないわけじゃない
中学のときに何回も抱いたことあるし
ゲイでもないし……俺、バイなのか…?
……なんかよくわかんなくなってきたな…
「あの、私…朔斗くんのことが……好きです…!付き合ってください…!」
「……悪い。俺、好きな人いるから」
「そ…そうなんだ……そっか…そうだよね…」
なんの「そうだよね」なんだよ
俺、好きな人いそうに見えるのか?
女ってよくわかんないな…
「ありがとな…けど、俺その人しか興味ないから」
「…こちらこそありがとう……ごめんね、昼休みに」
「ん、大丈夫。じゃあな」
「あ…うん……」
そんな目して見られても俺はあんたに興味ない…
しかも、名前も知らないし
俺は教室へと足を向けた
「朔斗」
「ッ……」
廊下を歩いていると、後ろから声がした
誰の声かなんて聞かなくてもわかる
慣れ親しんだ声…
俺は歩みを止めた…けど、振り向けない
「告白…されてたの?」
「……だったら?…陽樹には関係ないだろ」
そう言った瞬間…けっこうな力で腕をグイッと引かれた
「…ッ、ちょっ…陽樹…」
そして陽樹は俺の腕を掴んで、歩みを進めた
俺…怒らせた……かな…
着いたのは空き教室
「…ッ…いっ、つ……」
机の上に押し倒されて、背中の痛みに思わず顔が歪んでしまう
「なにすんだよ…」
「黙れよ」
「…ッ……」
その時の陽樹の顔が怖くて、俺は黙って固まってしまった
ゆっくりと陽樹は俺のネクタイを解いていった
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