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19話目【本編終了】
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二人から視線に少し息を飲むものの、ギュッと拳を作る。その時に浮かんだ言葉は『ストレートに聞くのがお前の取り柄だろ?告白した時みたく突っ込んでいけばいいだろ?』という天ちゃんの言葉だった。
ちゃんと言葉にしようと、よし、と蓮さんを真っ直ぐに見つめた。
「・・・蓮さん、俺のこと馬鹿にしてるでしょ?」
思ってた以上に低い声が出ていたらしく、蓮さんは俺の言葉にビクリと肩を揺らした。そのことに気付きながらも、気を回す余裕なんて俺にはなく、そのまま続ける。
「卒業したら、俺が蓮さんじゃない人好きになるって?離れて行くって・・・、そんなこと考えてたから最近、ボーッとしてたんだ?・・・勝手に俺の感情決めつけて、自己完結させて。・・・ッふざけんなよ!」
自分でも頭に血が昇って、冷静じゃないって分かってる。・・・でも、冷静に言えば、どうにかなるってもんじゃない。そんな俺を見て、天ちゃんはフッと小さく笑って、俺の背中を思いっきり叩いた。横を通っていく天ちゃんは、俺の心を読んでいる様で、視線を俺に寄越しながらニヤリと笑ってみせた。
天ちゃんが出ていくと同時に、蓮さんが「・・・でも。」と小さく苦しげに呟いた。
「・・・でも、そうだろ?今は・・・違うって言えるかもしれねェ。卒業して、離れたら・・・。」
蓮さんは自分で言いながら、どんな顔してんのか分かってんのかな、と小さく笑みが零れてしまった。・・・今の反応としては間違ってるけど、『まぁ、いっか。』と蓮さんに歩み寄る。ベッドの端へ腰を下ろし、そっと手を伸ばし、蓮さんの頬を撫でる。
「蓮さん、俺ね。変わらない自信あるよ。だって卒業しても、俺のこと好きでいてくれるでしょ。蓮さんは、俺のこと一番にしてくれるでしょ?」
「え?嗚呼、でもな・・・。」
「それなら、大丈夫、ぜーったい大丈夫。」
不安げに揺れる蓮さんの視線は、こちらから外れることはなく、じっと見つめていた。やっと目を合わせてくれた、と嬉しく、安心すると手を伸ばしてギュッと抱き締める。
「俺ね。蓮さんが俺のこと好きでいてくれるなら、ちゃんと返すよ。蓮さんの好きって気持ち以上に返すから。だから・・・一番に想ってくれる奴がいないなんて言わないで。俺、不器用だし頭悪いし、餓鬼だけど。今まで以上にこれからも・・・一途に蓮さんの事、想わせてください。
最後はちゃんと伝わっているか、確認しようと抱き締めるのを緩めて、正面からじっと見つめた。少し泣きそうになってる蓮さんに微笑み掛けると、小さく笑ってくれた。
「・・・いつでも、傍に居てくれるか?」
「うん。離れても、ちゃんと傍に帰ってくるよ。・・・だから、俺に蓮さんの一番、下さい。」
「・・・そうか。なら、全部やると、一番だけじゃなくて、全部。」
そう告げた蓮さんは、少しの隙間を埋める様に、そっと俺を抱き寄せた。久々の包み込まれる熱に、先ほどまで我慢していた涙がポロリと流れた。それを隠す様にギュッと強く抱き着いてみせた。
「・・・本当?すっごい嬉しいなぁ、それ。なら、俺、倍にして返すね。すぐに無理だけど・・・そしたら、蓮さん安心できるでしょ?」
「かもな?」
蓮さんはフッと軽く笑みを零すと、俺の肩に頭を預けた。
・・・さっき頬を触った時も思ったが、蓮さん熱あるな、と内心呟き、髪を梳かす様に撫でてやる。
しばらくすると、預けられていた重みが増した。
・・・やっと寝れたかな、と小さく笑みを浮かべると、そっとベッドへ寝かせてやる。安心しきった表情の蓮さんに、こちらまで嬉しく感じ、またしても笑みを零れた。
時間を確認すると、二限目の終わりを知らせるチャイムが聞こえた。それを聞きながら、そっと蓮さんに口付けを落とした。
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ここまでありがとうございました!!!
短編にも関わらず、遅い終了になりました。。。
自分の中では終わっていたのですが、なかなか更新が出来ず・・・(´;ω;`)
一応、終わりにですが、その後等を書きたいと思っていますので、ぼちぼち更新しようと思っております。
また、引き続きお付き合いいただければ、幸いです!
狗月
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