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6 (彰)
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「連れ…戻しに?」
そう、連れ戻しに。
「あの子は、俺が幸せにすると決めたから。」
そして、それは俺にも言えること。
雪がいるだけで、幸せなんだ、俺は。
「それってどういう…、」
いやだなあ、そんな怖い目で見ても、俺は雪を諦めないのに。
だから俺がいいたいのはさ、
「とにかく、
俺と雪の邪魔したら、
殺すよ?」
それだけだ。
一瞬で、その場の空気が凍ったのがわかった。
俺の顔が、そんなに恐ろしいのだろうか。
「もう用は終わり?」
それなら帰るけど。そう言っても誰も反発の声をあげないので、俺はゆったりとその集団を突っ切るように歩き出す。
彼らは黙ってその道をあけるので、楽に通りぬけることが出来た。
朝の光が、眩しい。
「早く雪に会いたいなあ。」
そう呟いてみると、更にその気持ちは膨らんで。
何度も夢に見た雪のあの笑顔が、
きらきらと遊ぶ光の中で、輝くような残像をみせた。
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