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「ん、」
ふ、と目が開いて、周りの状況を確かめる前に感じたのは腕のしびれ。
うあ、痛…動けない、え、なに…
少しずつ、頭が覚醒してきて、視界もクリアになった、
「!」
と、そこで気付いた。
「か、いちょ…?」
園田彰が、隣の席で寝ていた。
「え、なに、?は、」
頭が混乱している。
その間にも、机にべたりと頬をつけて寝ていた俺の目の前で眠る園田彰は、ゆっくりと寝息を立てていた。
そっと体を起こしてみると、パサリと後ろで音がした。
肩にかかっていたブランケットが落ちたらしい。
俺と園田彰と2人にかかっていたようで、それがズレて寒くなったのか園田彰が「ん…」と身じろぎした。
「、起き…ました?」
「…。」
返事はない。
そっと顔を覗き込むと、瞼はかたく閉じられていて、まだ寝ていることがわかった。
「かいちょ…?」
寝起きの、掠れた声で彼を呼ぶけれど起きる気配もなくて。
「あきら…」
思わず、名前を呼んでしまった。
だって、辛そうに眉を寄せた寝顔が痛々しくて。
ちゃんと寝られてないのかな、
目を閉じていても分かる隈からは彼の疲れを感じる。
忙しいのかもしれない。
補佐の俺には分からないけれど、
清掃業者のこととか施設のこととか、決めることがたくさんあるのだろうし、
やらなくてはならない仕事が、きっと山積み。
もし俺が、補佐の仕事をするためにここへ来なかったら、
彼は一人で仕事をしようとしたのだろうか。
そう頭によぎった瞬間なんだかものすごく辛くなって、
思わず彼の頭に手を伸ばしていた。
「、ゅ、き…」
「!」
すると彼は、瞼を閉じたままスッと一筋の涙を机に落とした。
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