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『可哀相にー可哀相にー』
『えーんえーん』
『可哀相にー可哀相にー』
『えーんえーん』
『可哀相にー可哀相にー』
『えーんえーん』
頭がおかしくなりそうだ。
無駄に性能のいい遮光カーテンが憎らしいくらいに館内は真っ暗で何も見えない。
誰のものだか分からない、どこから響いているのか分からない声が、
何度も何度も俺たちの耳を侵していく。
『誰だそんな酷い奴はー』
『その人の名前はねー』
『誰だそんな酷い奴はー』
『その人の名前はねー
"園田彰"
生徒会長なのー』
シーンと、館内に無音が戻った。
電気もつかない。
「あきら…」
壇上にいるあいつは、大丈夫なのかな。
俺の隣にはこうやって、そばにいてくれる蘭がいる。
だけど。
あいつは今、一人だ。
『親衛隊を認めて下さい』
『親衛隊を認めて下さい』
『親衛隊を認めて下さい』
『親衛隊を認めて下さい』
『親衛隊を認めて下さい』
再び、たくさんの声が館内を埋め尽くす勢いで響き始めた。
『親衛隊を、認めて下さい』
大丈夫かな、
大丈夫じゃないよな、
あいつは今、一体どんな顔をしているんだろう。
出来ることなら今すぐ、ー。
そう思ったとき、あいつの声が響いた。
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