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「んで、相談なんだけどさ。チビに名前を付けたくて」
「はぁ!?おまっ、ばかか?お前にあの子を育てられるとは思えない。施設に預けろ。」
こう言われることは覚悟していた。
伊織は俺の過去を知っている。
知っているから、俺の為に言ってるってことも。
「だから、俺の過去があるから育てたいんだ。」
「だめだ。捨てろ。俺は医者だ。医者の俺から見てまだお前は大丈夫じゃない。それにあの子は人間だ。そこらの犬猫じゃない、曖昧な気持ちならあの子が可愛そうだ。」
伊織の言うことは正論だ。
「でも、俺チビの為に生きてみたい。」
チビが何かに怖がって怯えた時に、俺を必要とする存在になって欲しいのかと考えた。それと同時にもし、俺がチビの為に生きたいって思えたなら何かが変わるかもしれない。
そう思ったんだ。
「はぁ。そこまで考えてたんだな。」
複雑そうな顔をしながらでも、少し笑う伊織を見て嬉しかった。
「ただし、1週間に2回はここ来るからな。それと何かあったらすぐ電話すること。それが出来なかったらあのちびっ子俺が預かるから」
「ああ。頼むよ」
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