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今まで、葎っちゃん以外の人から励まされたりした事がなかったから、こういう時、どうすればいいのか分からなかったけど。
とりあえず……。
「あ、有難う……」
小さい声だったけど、それだけ言った。
顔を俯いたままだったから、瀬戸君がどんな顔をしてたのか僕には分からない。
でも……多分、怒っては無い、気がした。
「戸波、家ってどの辺?」
「あ……僕、葎っちゃんの様子を見に行くから、ここで……」
「葎っちゃん?」
瀬戸君が疑問形で僕と同じ様に葎ちゃんの名前を呼んだのを聞いて、いつもみたいに葎っちゃんをあだ名で呼んでしまった事に気付き、慌てて説明した。
「あ……隣のクラスの、永瀬葎矢君なんだけど」
「……あぁ、よく昼一緒に食べてる奴だろ?」
「うん……幼馴染なんだ」
「そうなんだ。そういえば今日の昼、居なかったよな。じゃあ、永瀬にお大事にって、言っておいて」
別れ際、瀬戸君にまた頭を撫でられた。
「う、うん……じゃあね」
いきなりでビックリしたけど、嫌じゃなかった。
そして、軽く手を振って、瀬戸君が帰ってく姿を暫く見送った僕は、方向を変えて、葎っちゃんの家へと向かった。
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