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「なぁ、本当なのか? 優」
「えっ……あの……」
少し険しい顔をした葎っちゃんに問い詰められ、素直に『うん』と言い辛くなった僕は、そのまま口篭ってしまう。
「ホントだよ。なっ、戸波。昨日は俺達、一緒に帰ったよな?」
そんな僕に、瀬戸君が代わりに答えてくれた。
そして、僕の頭をまた、昨日みたいに撫でてきたんだ。
「う、うん……」
そのお陰もあったのか、口籠ってた僕は、今度は素直に頷く事が出来た。
「……なぁ、優。お前と瀬戸って……そんなに仲良かったっけ?」
だけど、葎っちゃんの問い掛けはまだ続いてて……また、僕が答えにくい質問をする。
葎っちゃんがここまで聞いてくるのはきっと、昨日言ってた瀬戸君の噂を気にしてるからだと思う。
葎っちゃんの事だから、瀬戸君と仲良くなったら、僕に悪い影響が及ぶと思って、心配してるんじゃないかな?
昨日は、偶然が重なって瀬戸君と一緒に帰る事になっただけで……仲良しなんて、なれてないのにな……。
それに、瀬戸君だって……こんな暗くて面白みのない僕と仲良くしてるだなんて、周りの友達に思われたら……困ると思うんだ。
「えと……そ、そんなに、仲良くなっては、ない……よ?」
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