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「うん。少しぐらいだったら……いいよ」
何を言われるかドキドキするけど……そんなに時間はかからないみたいだから、そう返した。
女の子とこうして面と向かって喋るの自体、初めてだから……緊張しちゃう……。
僕、ちゃんと喋れてたかな?
「有難う! じゃあ、ちょっとだけ……廊下で話せるかな?」
どうやら、ちゃんと喋れたみたい。
「うん……いいよ」
僕が返事をすると直ぐ、笑顔になったその子は、僕の腕を引っ張って、そのまま廊下の端へと誘導した。
「あのね……昨日お願いした手紙、瀬戸君に渡してくれたかな?」
するといきなり、彼女は僕の耳元に口を寄せて、まるで内緒話をするように、コソコソと聞いてきた。
「あ、うん。あの手紙は、ちゃんと渡したよ」
何とか……ね?
「そっか。有難う! 昨日は初対面なのに、いきなりあんな事を頼んじゃって、ごめんね~。あの手紙を書いたまでは良かったんだけど……なかなか本人を前にして、渡す勇気が出なくてねー」
あははと笑いながら言ってきたその子は、僕の目にはなんだか可愛く映った。
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