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「と……戸波。ホントに、さっきのあの子と……付き合うのか……?」
どうやって切り出そうかと僕が困ってたら、タイミング良く瀬戸君から話しかけてくれた。
あ……。
今、言わなきゃ……!
「あ、あのっ……ち、違うからっ! 付き合うとかそういうのじゃ……ないからっ!」
誤解を解く事に必死だった僕は、気が付けば瀬戸君の腕を掴んで、一生懸命否定してた。
その様子に、周りの皆も驚いてたと思うけど、僕に腕を捕まれた瀬戸君が一番驚いてた。
目を見開いたまま、暫く僕の事を見てたけど……少しすると、瀬戸君が喋った。
「そっか。もし、あの子と付き合うんなら、ちょっとはアドバイスしてやろうかなって、思ってたんだけどな。なぁんだ、違うのか……。なら、いいんだ。気にすんなっ♪」
少し声を弾ませた瀬戸君が、僕の頭を撫でた後、そのまま友達と一緒に、自分の席へ戻った。
よ、よかったぁ……。
瀬戸君に誤解されなくて。
これで少しは、愛さんの役に立てたかな?
さっき愛さんから貰ったクッキーの包み紙を見て、僕は思った。
結局そのクッキーは、学校では食べる事が出来ず、家に帰ってから食べる事にして、鞄にしまった。
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