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開けて直ぐ、顔を上げれば……僕の目には、二人の生徒の姿が飛び込んできた。
バサッ
そして、ビックリした僕は、思わず手に持ってた本を落としてしまった。
それは……居ないと思って開けたドアの向こうに、人が居たって事じゃなくて、目の前の光景に。
だから、落ちた本を直ぐに拾えなかった。
だって、目の前の光景から、目が離せなくなっちゃったから。
すっかり固まってしまった僕より先に、目の前に居る生徒の一人が、もう一人から身体を離して、僕の方を見た。
「あら……見られちゃったわね」
僕と目を合わせてきたその人が、クスリと笑いながら言ってきたので、そこで僕はハッとする。
「戸波っ……」
続けて呼んできたのは、僕のよく知ってるクラスメイトの瀬戸君だ。
「ご、ごめんっ! 瀬戸君!!」
今度は、あ……と思って、それだけ言うと、ビックリしてドキドキする鼓動の高まりを抑えながら、その場から駆け出す。
――キス、してたっ!!
さっき、僕の目に飛び込んできたのは、瀬戸君と女の子のキスシーンだった。
一瞬だったのに……目撃してしまった衝撃的な光景は、僕の頭から全然離れてくれない。
何だか気持ちが落ち着かなくて、それを振り払うように、僕は必死に走った。
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