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「おーーい! 森沢ぁ。早く戻っておいでよ。一体、いつまで私達を待たせる気? いい加減にしないと、置いてくよ~?」
愛さんの事を友達が呼んだ。
「あ、知美、恭子、シバちゃん! ごめ~ん。直ぐ行くから!!」
それに対して、今度は愛さんが大きな声で返事をする。
その光景を僕は何も言えず、ジッと見つめていた。
「あ、優君。ごめんね~。また明日、ちゃんと話そう! さっきの事、もっとじっくりと聞きたいしね」
「えっ?」
さっきの事って……何?
「じゃあ明日。バイバーイ」
僕が混乱してる間に、愛さんは挨拶をして、直ぐに去って行ってしまった。
結局僕は、愛さんにまともに挨拶すら出来なかった。
何か、申し訳ないな……。
******
愛さんが居なくなった後、少し落ち着いた僕は教室へ向かった。
さっき図書室前に落としてきてしまった本が気になるけど、取りに行く気分じゃないし……今日はもう、帰ろう。
やっと教室前に辿りついた僕は、誰も居ないと思ってたから、何も思わずガラッという音をたてて、ドアを開けた。
「あっ……」
けれど、教室には一人だけ、残ってた。
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