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それは、さっき図書室で女の子とキスしてた瀬戸君だった。
「瀬戸君……」
「戸波……」
僕が瀬戸君の名前を口にした瞬間、瀬戸君が椅子から立ち上がってこっちにやってきた。
な、何で……?
もしかして……僕、殴られちゃうのかなぁ?
だって、だって僕……いつも瀬戸君の邪魔や、怒るような事ばかりしてしまってるから……きっと、今度こそ……。
そう思うと、僕は怖くなって、顔を俯けた。
ゆっくり、ゆっくり……一歩ずつ瀬戸君の足音が聞こえて、僕に近づいてきてるのが分かる。
きっとこの後僕は、瀬戸君に怒られて、殴られちゃうんだ。
今まで怒られる事、沢山しちゃったし……さっきはよりによって、本命の人とのキスを邪魔してしまったんだから……。
怒るのも当然だよね。
やっぱり、僕が……憎いよね?
ごめんね、瀬戸君……。
僕は邪魔するつもりなんて、これっぽっちも無かったの……。
一歩、一歩、確実に僕に近づいてくる瀬戸君の足音。
殴られる覚悟は、決まってたものの……やっぱり怖くて……顔を上げられないまま、瀬戸君の足音を、静かに聞いていた。
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