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「……えっ?」
愛さんが喋ってるのをジッと聞いてた僕だったけど、最後の方は思わず、声が出てしまった。
だって、急に僕の事言ってくるんだもん。
ちゃんと好きって……一体、誰の事を言ってるの?
「あれっ? やっぱり……気付いてないんだ?」
目を見開いて、愛さんが僕にそんな事を言ってきた。
愛さんのその言葉は昨日、瀬戸君が告白する前に僕に言った台詞と似ていたから、一瞬だけ思い出してしまった。
「気付いてないって……何の事?」
浮かんだ事を振り払って、再び愛さんが言う言葉を反芻したけど……思い当たる人は浮かばないし、何に気づいてないのか気になって、僕は愛さんに聞き返してしまう。
「何の事って……それは……」
愛さんが言い終わる前なのに、タイミングが悪く、チャイムが鳴ってしまった。
「あ、これって、予鈴だよね? 早く教室帰んないとっ!」
言いながら、愛さんが広げたお弁当を片付け出したので、僕も同じ様に片付け始めた。
こうしてタイミングを逃してしまった僕は、愛さんから聞き出す事が出来なかった。
その後、小走りで戻った僕達は、あっと言う間に教室前に辿りつく。
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