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しかも、もうちょっとだって……。
本当にもうちょっとなのかな?
僕は、ますます分からなくなっちゃったのに……。
「もうちょっと……なのかな……?」
だから、不安になってしまって、ボソッと呟いた。
「あぁ、後もうちょっとだ!」
すると直ぐ、自信満々な瀬戸君に返されてしまう。
その自信は、どこから来てるか分からない。
けど……それでも、ちょっと前まであんなに遠い存在だった瀬戸君が、今はこんなに近くに感じられる。
それなら、瀬戸君が言うように、後ちょっとで分かるのかもしれない……。
「戸波……一緒に帰ろ?」
だけど今日、一つだけ分かったのは……瀬戸君のこの笑顔をずっと、僕に向けていて欲しいなって思ってる事。
それは、恋なのか、それとも友情なのかは分からない。
「うん……」
だけど、こうして瀬戸君と一緒に行動していたら、その答えがいつかは、分かる気がする。
だから僕は、暫く瀬戸君と一緒に居る事を決めたんだ。
「鞄持ったな? 忘れもんないな? よし、帰ろう!」
「うん」
いつか、自分の気持ちがわかる日が来る事を願いながら、僕達は教室を後にした。
≪終わり≫
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