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筒井君が鞄を机の上に置きながら、瀬戸君に話し掛ける。
「ん? そんなのあったっけ?」
「あったっけって……ほら、これだよ。ちゃんとやったのか?」
「あ、ヤベッ……やってねー」
口調は焦ってる様に聞こえるけど、瀬戸君の態度は全く焦ってない。
これも、いつもの二人の会話で……大体は、瀬戸君が出された宿題を忘れて、筒井君に見せてもらいながらやり始める。
時々、ちゃんと提出時間に間に合うのか心配になる事があるけれど、瀬戸君は要領がいいのか、毎回時間内には必ず終わってる。
今日もきっと、間に合うんだろうなと思いながら、僕は自分の席で一時間目の授業の用意をしていた。
そんな朝の始まりを迎えてから、あっという間に時間が過ぎていき、気付けはもう、放課後になってしまった。
時間が経つのって、凄く早いなぁ……。
「戸波?」
僕が教科書を鞄の中にしまっていると、瀬戸君が現れる。
「あ……ごめん。もうちょっとで、終わるから」
待たせるのが申し訳なくて、急いで片付ける。
「いい、いい。そんな焦らなくても……ゆっくりやってていいから」
そんな僕に、瀬戸君は優しい言葉をかけてくれた。
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