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「さっきね、家の前で葎ちゃんに会ったの。それで、優に渡しておいて欲しいって言われたのよ」
そう、なんだ……。
家の前でって事は……少し前にチャイム鳴らしてたのも、葎ちゃんだったのかな?
身体が重くて出られなかったから、居留守にしちゃったけど……悪い事しちゃったな。
「それと優に、早く元気になって、学校においでって言って欲しいって、頼まれたわ。ホント、葎ちゃんいい子よね~? 葎ちゃんも心配してたし、早く元気にならないとね! それじゃあお母さん、氷枕でも作ってくるから」
「うん……」
僕に微笑んでから、お母さんは部屋から出て行ってしまった。
……やっぱり、瀬戸君じゃなかったんだ。
お母さんが出て行った後、一人になった僕は、葎ちゃんから言付けて貰ったプリントを見つめながら、そんな事を考えてしまった。
そっか……瀬戸君はもう、僕の事なんて、どうでもいいんだ……?
つい、自分の中でそんな、マイナスの事を考えてしまった。
自分で考えたくせに、ちょっと悲しくなってしまう。
瀬戸君……僕が返事言うまで……待つって言ってくれたのに……。
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