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――ピーンポーン、ピーンポーン
僕が考え込んでいたら、玄関にいる人がまた、チャイムを鳴らす。
「あ、行かなくちゃ」
その音にハッとした僕は玄関へと向かう。
きっと、ドアの向こうにいるのは、葎ちゃんだ。
心配した葎ちゃんが今日の連絡と、プリントを渡しに来てくれたんだろうな。
二日間とも葎ちゃんに会えてないし、心配かけさせたくないから、今日こそ会わなくちゃっ!
そして僕は、この向こうにいるのが葎ちゃんだと信じて疑わず、ドアを開けたんだ。
「えっ……」
だけど、ドアの向こうにいた人物が、葎ちゃんじゃなかったのを、開けてから気付いた。
思い込みで開けてしまった手前、その人物を頭で理解するのにかなり時間がかかって、暫くドアノブを持ったまま、固まっていた。
「戸波っ……」
けれど、目の前にいる人物に名前を呼ばれ、ハッとした。
「あっ……」
そこには、ずっと考えてた瀬戸君の姿がある。
今……一番会いたくなかったかもしれない……。
そうだ!
僕がこのドアを閉めてしまえば、瀬戸君の顔を見なくてすむ。
じゃあ、直ぐに閉めてしまえばいいんだ!
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