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「あっ……ダメッ」
瀬戸君に抱きしめられてるって理解した瞬間、僕は瀬戸君の身体を押し返して、離れた。
「えっ? どうしてダメ……なんだ?」
僕の耳にはいつもより低い、瀬戸君のそんな声が聞こえる。
本当は、久し振りの瀬戸君の腕の中が気持ちよくて……ずっとこのままで居たかった。
だけど……それじゃ、ダメなんだ。今の僕は、自分でも怖い位に醜い感情を持ってるから……。
だから、瀬戸君が僕に触れてしまったら、汚れちゃう……。
でも……どうして瀬戸君が今日に限って、僕の所になんて来たんだろう??
もしかして……僕に恵美さんと付き合う事、言うためな……の……?
そう思うと……胸がギュッと締め付けられて、苦しい……。
「えっ? ちょ……何でいきなり泣くんだ? 俺が来たのが嫌だったのか?」
瀬戸君がそう言った事で、僕は自分が泣いてるのが分かった。
どうして……泣いてしまったのかは、僕にも分からないんだけど……。
「戸波……」
毎朝、僕を抱きしめながら囁いてきた時の声の調子で、瀬戸君が僕を呼んで再び腕を掴もうとした。
なのに僕は、その瀬戸君の手を拒絶するみたいに、バッと振り払ってしまった。
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