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思ってる言葉を、口に出すのはとても難しい。
だけど、心の中でいくら思ってたって、言わなきゃ伝わらないという事がある。
今までの僕は……それが出来なかったんだ。
だって……いつもいうタイミングを逃してしまって、言えなかったから。
それに……言わなくても態度で伝わるなんて、ちょっと思ってたから……。
だけど、今は違う。
言ってから初めて伝わるんだって、僕は知ってしまったから……。
それを口にするまでの、ちょっとした勇気。
それさえ備われば大丈夫。
それが上手くいったら、きっとその後には……。
「優……好きだ……」
耳元で瀬戸君にそう言われて、僕は胸が熱くなってくのを感じる。
「僕も……好き……」
でも、そんな気持ちを瀬戸君にも感じて欲しくて、僕も口にする。
「優……可愛い」
ふっと笑いながら、瀬戸君の顔が近づいてくる。
そして僕は、この後に起こる事を期待して、ゆっくり目を閉じたんだ。
上手くいったら、きっとその後には……。
勇気を出した分、いい事が待ってると、僕は思うんだ。
≪終わり≫
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