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「けど、昨日の葎のお弁当、にんじん残ってなかったけど……食べたの?」
「いや。食べてない。昨日は、優に食べてもらったんだ」
「そっかぁ~優ちゃんか。優ちゃん、元気してる?」
「うん。元気してるよ……って、母さん、のんびり話してる暇ないや。もう行かなくちゃ!」
「あらホント。葎、お弁当」
いつの間にか、母さんがお弁当を包み終えていて、それを渡してきた。
「あ、有難う。じゃあ、行ってきます!」
「行ってらっしゃい」
母さんの見送りの言葉を背中で聞き、オレは走って学校へ行った。
「おはよう、葎ちゃん」
なんとか学校に間に合って、廊下を歩いてる所で、そんな声が聞こえてきた。
「おはよう、優」
それに対してオレは顔を上げて、声をかけてきた相手に笑いかけながら挨拶を返した。
目の前に現れたのは、幼馴染の戸波優だった。
眼鏡をかけて、少し小柄(て言っても、オレと背丈あんまり変わんないんだけど)で口下手な優。
ちょっと引っ込み思案な所があってか、人と(特に女子とは)仲良くなりにくいみたいで、滅多な事が無い限り喋らないし、見てる感じだと、クラスで親しい奴は居ない気がする。
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