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「さーて、やっと昼だなー」
昼休みになって、優の教室に来ていたオレは、向かい合って弁当を広げる。
「うん、お腹すいちゃったね」
この光景は、昔から全然変わらない。
が、それはオレ達の間だけの事。
優は背中を向けてるから見えないかもしれないが、ちょっと目線を遠くへやると……奴の視線とぶつかる。
「蛍太、メシ食おうぜー」
「……」
「おい、蛍太? お前、聞いてんのか? おーい」
「え? あ、あぁ……入江、どうした?」
「どうしたって……蛍太、何か上の空だけど……大丈夫か?」
「え? ……いやぁ~」
おいおいおい。
友達からの呼びかけそっちのけで、こっちばっか見てんじゃねーよ!
しかも、何か顔がニヤついてるし……!
「葎ちゃん? どうしたの……?」
はぁ……優は優で、全く気付いてないし……。
「あ、いや……別に」
オレは気付いてるけど、優に瀬戸が見てる事は教えてやらない。
「……? 変な葎ちゃん」
だって、こんな純粋すぎる優を、あんな有害に近づけて毒されていく姿を、見たくないからだ。
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