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小さい頃から優の面倒を見てきただけに、オレとしてはやはり、優に変な奴を近づけたくないわけだ。
けど、奴はここで大人しく引き下がらない。
ガタッと、席から立つ音が聞こえたと思えば、こっちに向かって足を進めてくる。
でも、残念だな。
優からは見えてないけど、オレからは見えてるんだ。
そう簡単にお前と、接触なんかさせるかよ!
「優、そういえばオレ、優に渡さなきゃいけない物があるんだった! ちょっと、教室まで一緒に来て!」
「え? なに……?」
後3・4歩で奴が優に声を掛けるであろうタイミングで、オレは優の腕を掴み、立ち上がらせて教室から出て行こうとする。
ヘンッ! 悪いな、オレの勝ちだ!
奴もこの行動がわざとだって分かってるのか、悔しそうな顔でオレを睨んでくる。
ばーか。甘いんだよ!
ちょっと勝ち誇ったような気分になりつつ、優の腕を掴んで教室から出るあと一歩って所で、立場が逆転した。
「戸波!」
奴が呼んだその一言で、優が振り返る。
そして……。
「あ……せ、瀬戸君……どう、したの……?」
心なしか優が少し嬉しそう。それに、緊張してか少し言葉を詰まらせながら答えてる。
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