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「戸波、何処いくの?」
呼びとめた後、奴は女を口説く時に出すような、ご自慢な笑顔を向けながら、優に話しかける。
「え、あ……葎っちゃんの教室に……」
でもそれは、女ばかりでなく、優にも通用してしまったようで……頬を赤らめながらも返す。
なーんか、この雰囲気。
すっごく、ムカつくんだけど……。
これ、さっきのお返しってばかりに、わざとしてんじゃないのか?
「そうなんだ。俺も購買へ行こうとして、教室出ようとしたら、戸波の姿が見えたから……」
嘘付け。お前はずっと優を見てただろうが!
優からは見えてないけど、オレはばっちり見えてたんだからな!
瀬戸の言葉にオレは、ウソくさっ! としか思えなかったけど、優は素直にそれを信じてしまってるみたいだ。
あーあ……優の奴、こんなのに引っかかるなんて、まだまだ甘いよ。
「それと……戸波、今日も放課後、楽しみにしてるから」
優しい感じの声で、奴が言う。
オレが居るのに、お構いなしだ。
ったく、優にその気が無かったら、絶対邪魔してやったのに。
「あ……う、ん」
言葉を詰まらせながら、再び少しだけ頬を赤くした優を見て、奴はだらしない顔をしていた。
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