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それから、バイトの日はバイト後にお客さんと一緒に過ごすことが多くなったし、バイトがなくても家で1人になるのは嫌だったから、eryngoに行くようになった。
お陰で十分な睡眠が確保出来なくて、毎日が寝不足の日々。
授業中にウトウトしがちで集中出来ていないし、部活でもボーとすることが多くて声を掛けられても1回で気付けない。
そんな俺に咲夜は「何かあった?」と聞いてきたが、ただの寝不足とだけ返した。
1人になると紫波さんのことばかり頭に浮かんでは消え頭に浮かぶ…。
考えたくないからこそ何かに没頭したかった。
でも流石に、そろそろ私生活に支障をきたしているからヤバいな…と思ってたら、運良く土曜日の部活が休みになった。
先週行われた県大会。地方大会に行くまでの切符を手に入れることは出来なかったけど、自分達なりのプレーは出来たと思う。
そんなこんなで、顧問が「大会頑張ったから来週の土曜日は練習をなしにしてやる」と言った。
この大会で3年生は引退だから、俺達2年生が部を引っ張っていく番。そんな俺達にとったらご褒美に近かった。
そう言うことで、久し振りに1日フリーになったから、疲れや寝不足を解消する為、朝はかなり遅い時間まで寝ていた。
その甲斐あって、幾分か疲れは取れた…気がする。
でも、寝不足から来る顔色の悪さは相変わらずだった。
…そりゃ、自分でも分かるくらいの顔色の悪さをしていたら、誰だってどうした?と聞いてくるか…。
自分の部屋にある鏡を見ながら、小さく息を吐いた。
私服に着替えてリビングに向かう。土曜日でも休日出勤の母親は家にいない。
1階に降りるとリビングから複数の声が聞こえる。
兄さんと柊君…以外の声?誰だろう…と思いつつ、ドアを開ける前に一つ深呼吸をして笑みを浮かべた。
「…おはようございます」
「あ、薺おはよう。今日は随分と遅くまで寝てたね」
「すみません、最近部活が忙しかったり友達と遅くまで勉強してたりして寝不足で…」
「偶にはいいじゃん、ナズ兄は頑張り過ぎなんだから」
「そうでもないですよ……蓮(れん)さん、おはようございます」
「おはよう薺、お邪魔してるな」
兄さん達と軽く話してから、2人以外の声の主に挨拶をした。
蓮さんは兄さんの大学時代の同級生。院に行っている兄さんとは違い、4年で大学を卒業したから社会人2年目だ。
高身長で誰もが見惚れる容姿をしていて、キリッとした顔立ちだから綺麗系よりワイルド系。
大学を卒業した蓮さんと院に行っている兄さんが、どうしてかなり仲がいいのかと言うと…。
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