アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
92.
-
だから僕は…。
「…内緒、何かあったら咲夜には話すから待っててくれるか?」
「勿論、言っただろ?俺を信じさせてやるって」
「ははっ、心強いな」
きっと、以前の自分なら何でもない、と言ってこの話題を避けていたと思う。
けど、キョウ君と思いが通じあった今、あやふやにするのは嫌だと思った。
キョウ君と付き合っていることを恥だと思わないから…寧ろ、こんな素敵な人が僕なんかと付き合っていることを自慢したいぐらいなんだから。
だから、少しの間待っててよ。咲夜には近々ちゃんと話すからさ。
…キョウ君と付き合うことになったよって…。
朝から一喜一憂していたが、どうやら授業中にもそれは続いていて…。
昨日の今日だから気を抜けば表情筋が緩むけど、嫌いな授業になるとかなり落ち込む。
けど、今日の授業を乗り切ればキョウ君に会えると思うと頑張れる。
そんな僕の浮き沈みに咲夜が「今日の薺は変だな」と言ってきた。
…悪かったな、変で。
そして全ての授業が終わって待ちに待った放課後練習。
日直でも掃除当番でもなかった僕は咲夜を待たずに急いで教室から出た。
昨日はずっと一緒にいたけど、毎日会う事は出来ないから会えることが嬉しい。
息が上がりそうなぐらい走って部室に向かったら、まだ早い時間だからか人がいなかった。
…と言うか、キョウ君も始めから居るとは言ってなかった…。
その事実に項垂れそうになって、溜息を吐きながら部室のドアを開けた。
「…大きな溜息吐いてどうしたの?」
「っえ、キョウ君!?」
「うん、ナズのキョウ君だよ」
部室の中には椅子に座ってニコニコしながら話すキョウ君の姿が目に入って。
まさかここに居るとは思わなかったから、瞬きの回数が増えた。
そんな僕の姿を見ながら手巻きをする彼の姿に見惚れた。
「多分、直ぐに皆来ちゃうから…それまでの間だけね」
「っうん…キョウ君、会いたかった」
「ふふっ、素直ななーちゃんも可愛い」
その呼び方は嫌だって言ったけど、嬉しそうにキョウ君が呼ぶからまぁいっか、と許すことにする。
手巻きされてキョウ君に近付くと、ギュッと抱き締められた。
昨日も抱き締められたりそれ以上のことをしたのに、どうやらキョウ君不足だったようで…。
こうして抱き合えることに安心感を覚えた。
直ぐに他の人達が来ちゃうからずっとはこうしていられない。
もしかしたら、次の瞬間にこのドアが開くかもしれないからこんなとこ見られたらダメだと分かっている…けど。
「…キョウ君、大好き」
「あー、なーちゃん可愛い」
僕を軽々と抱き上げキョウ君の膝の上に向かい合わせで座らされた。
この空間が好きだから止められないんだ。
目を合わせてお互いにクスクスと笑うと、磁石のように近付きキスをした…。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
93 / 233