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「…なんか妬けるな…」
「えっ?急にどうしたの?」
どうやら心の声が漏れていたようだ。今更何もないと言ってもキョウ君は見逃してくれないだろう。
…付き合いだしたの昨日なのに、少しずつキョウ君のことが理解できていることに嬉しく思う。
「…あの人達、キョウ君を見て赤く染めてた…キョウ君の天然タラシ」
「何それ、可愛い嫉妬?」
「嫉妬に可愛いの表現はおかしいです」
「もう…それが可愛いって言ってるんだけどね…安心してよ、俺にはナズしか目に入らないから」
僕の頬を両手で包み込むと額同士をくっ付けて訴えかける。
その言葉も嬉しい…が、いつも以上に近い距離にドキドキが止まらない。
その所為か目が泳いでしまい挙動不審になってしまった。
これはカッコよすぎるキョウ君が悪い…うん。
「ふふっ、目元を赤く染めて…可愛い」
まるで小動物でも愛でるような慈しむ表情で額に一つキスを落とされる。
そして、その勢いで唇にキスを落とされそうになったが…。
「っダメ!ここ外だからね!」
「ん…残念、俺はいつでも何処でもナズにキスしたいけどな」
「っ、キョウ君の意地悪っ…それに、キス顔を見られるのは嫌だ…」
「あぁ確かに…ナズのそんな顔見せられないな」
「僕、じゃなくて…キョウ君、の…っ」
…何言ってるんだ僕。言った後に恥ずかしさが込み上げてきて最後までしっかり言えなかった。
でも、キョウ君は僕の恋人なんだ。恋人の特別な姿を誰かに見せびらかすのは損している気分になる。
そんな独占欲丸出しのことをキョウ君に言えるはずがなくて…けれど、中途半端な言い方になってしまったから逆に恥ずかしくなってしまった訳だ。
恥ずかしさでキョウ君の胸に顔を埋めて隠す。
「っ、不意に来る独占欲は反則だろ…」
「わ、忘れてっ!」
「ナズ、こっち」
言葉にされるともっと恥ずかしい気持ちが募る。すると、キョウ君が僕の手を引いて歩き出した。
そして、辛うじて行き来できるぐらいの道に連れ込まれる。
何でここ?と思うよりも先にキョウ君らしくない、顎を掴まれて強引に顔を上げさせられたと思ったら噛み付くようにキスされた。
「んんっ!ふぁ、ぁぅっ…んふっ、ぁん」
息継ぎもままならないぐらいの激しさに声が漏れる。ここが外だと言うことを忘れさせるほどの深くて卑猥なキスに腰が抜ける。
必死でキョウ君の胸元の服を掴んでいたら、それに気付いたのか僕の腰を引き寄せて支えてくれた。
激しさに伴って口先から2人の混ざった唾液が重力に従って伝う。
一体何がキョウ君のスイッチを押してしまったのか、未だに理解仕切れていない僕は、ただただキョウ君に翻弄されるしかなかった…。
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