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99.
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キョウ君の翻弄されるキスから解放されたのは、僕が苦しさから胸をドンドンと叩いたことがきっかけに。
離された唇に名残惜しくも感じたが、酸欠気味の身体は足に力が入らなくてクタクタだ。
支えられた腰とキョウ君に全体重を掛けることで立っていられる状態。
まるで産まれたての小鹿のように足がプルプルと震えた。
こんな足腰が抜けるほどの甘く激しいキスはしたことない。
乱れた呼吸をキョウ君の鼓動を聞きながら整えていく。
「っ、キョウ、君…」
「ごめん、つい止まらなくなって」
「ううん…キョウ君でも、あんな激しい顔があるんだね」
「自分でもびっくりしてる。でも、元を辿ればナズの所為なんだからね」
呼吸が整ってきた時に、まさかの僕が悪い発言にムッと思い胸板をドンと一発叩いた。
それを痛くも痒くもないかのようにクスクスと笑うだけのキョウ君。
「だって、あの言葉って俺のキス顔を見られたくないってことでしょ?」
「うっ…」
「ふふっ、そうだね。俺の一つ一つの表情はナズのモノだからね…忘れるとこだったよ」
言い方が意地悪だと思うのは僕だけか…?
けれど、頭を撫でたり旋毛にキスを落としてくるから許せてしまう。
僕って単純だな…キョウ君限定で。
「…でも、何で急に…?」
「ん?ここに連れ込んで深ーいキスをしたか?」
「…楽しそうに言わないでよ」
「んー、一言で言うなら煽られたから?」
「煽っ!してないよそんなこと!」
「…うん、無自覚って怖いね」
ボソッと呟いた言葉、しっかりと耳に入ってますけど?そりゃ女顔してるから顔はいいと思ってるけど…何処に煽られる要素があったんだろう?
まぁ、教えて貰っても僕には理解できないと思うから聞かないけどね。
お互いに気持ちが昂ったからか、チラッと下半身を見ると小さなテントが張っていた。
…訂正、キョウ君は小さくなかった。
「…同じ男としてそこに差があるのは複雑かも…」
「可愛いナズには今ので十分。てか、そう言う話は恥ずかしがらないんだね」
「今更だしね。まぁ、話だけなら大丈夫」
これが実践(?)になると話は別だけど。だって僕、処女だし。
少しして熱も冷めてきた頃、漸く僕達はそこから帰路に着き出した。
今日はバイトがないからルピナスに行って勉強でもするか…と思っていたら、キョウ君もゼミのレポートがあるらしく一緒に寄って行くことに。
当たり前だけど、ルピナスに入る為のドアは開いていて、一昨日はここで告白されたんだよね…と思うと、少し照れた。
取り敢えず図書館に入って、何も語らずに2人で同じ方の椅子へと進む。
「ナズもここの席好きだよね」
「窓にも近いし、入り口から離れてるから余り人がたくさんいないしね」
こんな小さな共通点があるだけで心が踊るのはキョウ君にだけ。
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