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172.※
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「…力抜いて薺。我慢出来なかったら俺に爪立てていいから」
「止める、とは言わないんだ」
「はっ、俺がどんだけ我慢して来たと思ってんだよ…悪いけど、その選択肢はないから諦めて」
ゴムの封を口を使って開けて自分のモノに手早く装着し、ローションをたっぷり付ける。
そして、腰の下に敷いていたクッションを取り、足を畳まれるとグッと距離が近くなった。
ピタッと後孔にキョウ君の熱い性器が当てられる。それにいよいよだ…と思い音を立てて唾を飲み込んだ。
「余裕無くしたらごめん」
「…ううん、余裕無くすぐらい夢中になってくれる方が嬉しい」
「っ、煽ってんじゃねぇよ」
一瞬眉間に皺を寄せて目を細めた。
そりゃ、ハジメテだから優しくして欲しいし誰だって痛いのは嫌だ。
でも、苦しくて痛くてもそれが彼なら全てが喜びに変わる。
…"愛してる"の言葉は、決して嘘じゃないから。
僕を見下ろすキョウ君の首に腕を回して自分の方に引き寄せてキスをする。
それが合図だったようで…当てられていた熱いモノが中に入って来た。
「ふっ!いたっ…!あ、んっ…っっ」
「ごめんっ、痛いよな?でも、少しの間我慢してくれっ」
「あっ、だ、い…じょうぶっ…いっ、おねがい、抜か、ないでっ」
多分、まだ先が入っただけだと思うけど、身体の芯から引き裂かれる痛みが走る。
丁寧に解したとしてもハジメテだから痛みを伴うのは当たり前なのか…それとも、キョウ君のが普通の人よりも太さも長さもあるからなのか…痛みで止まっていた涙が頬を伝う。
無意識に下唇を噛んで耐えていたら、突然指を突っ込まれて力めなくなった。
「っ噛むな、いくら薺でもこの身体に傷を付けるのは許さないっ」
「ふっ、っん…」
口の中に指があることで、飲み込めなくなった涎が顎を伝い出した。
キョウ君はスッと指を抜いてソレを舐めると、自分の肩を僕の口元に差し出す。
それは、自分を傷付けるなら俺の肩を噛め、と言っていると容易に考えられ…。
そんなこと出来ない僕は、一層近くなったキョウ君の背中に爪を立てた。
少しずつ、少しずつ…ミリ単位で動いてるんじゃないか?と思うぐらいゆっくりと挿れてくることに、余裕があるのだと思った。
「っ、キョウ、君。我慢、しないでっ」
「そんなこと言うな、俺は薺を傷付けたくないんだからっ」
「僕なら、大丈夫…だから、お願い。キョウ君なら、何されてもっ、いい」
「っ、クソッ!後悔するなよっ!」
熱くなっている僕の身体を力強く抱き締めると、今までの慎重さが嘘のように一気に貫いた。
「っっ!あ゛あ゛ぁぁっっ!!」
身体中を駆け巡る激痛に叫び声が部屋に響く。
それと同時にキョウ君の背中に爪が食い込むほど力強く抱き締め返した。
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