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護衛
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俺は類。剣の腕をあげるため、
そして最大の目的、幻と唄われる人の命を蘇らせる力があるとされる花を見つける為、
俺は世界を回っている。
行く先々の街の悪党や山に巣食う怪物を退治しているうちに俺は評判の高い戦士になっていたらしい。
それが功を成してか、俺はたどり着いた国の王に城に呼ばれることとなった。
「おお、よく来てくださった。君が側近が申しておった剣士か。わざわざご足労願ってすまなかった。感謝する。」
「いえ、こちらこそ、お招き頂き大変光栄にございます。して、ご用件は…」
「あぁ、いや、私の、息子であるレインのことなのだが」
「御子息様…ですか」
「あぁ。今、この王国で起こっている事件のことを、知っているかね?」
そういえば、街で酒場に寄った時に周りの奴らが噂をしていた気がする。
「いえ、詳しくは…街で噂されているのを耳にした程度です。確か…連続して殺人が起こっているとか。しかも両目を抉り取られて。」
「そうなのだ。その殺人と言うのが、美しい瞳をもつ者が狙われている、というものでな」
「美しい…瞳」
だから目が抉り取られて殺されているのか。
「レインは天性の美しい瞳を持っている。そのせいか、最近嫌な気配がしていてな…」
「狙われている…というわけですか」
「直接接触してきたわけではないのだが、な。今朝方、レインが庭で花を見ていたところ、不審な人物が庭に侵入しておったそうだ。」
「庭に侵入…それは危険ですね。」
「あぁ。警備は怠っておらんかった。にもかかわらず我が城に入り込むことができるのは、相手が何のつもりで侵入したにしろ、それなりの実力を持っているということになる。」
「ご息子様は、ご無事で?」
「あぁ。特にはな。ただ、このまま無防備な状況でレインを放っておくわけには行かない。そこでだ。君にレインの護衛を頼みたい」
「…ご本人にお会いしても?」
「すぐにでも、と言いたいところだが、君の身の潔白を証明するものが何もない内には会わせるわけには行かないな。」
「身の潔白、ですか…」
「あぁ。」
「そうですね…私が殺人犯であったなら、この城に招かれたあと、殿下が私にこの話をなさる前に、目的を果たしているでしょう。」
あくまで穏やかに、静かに殺気を放つ。
いくら王とは言え、戦い慣れた俺の殺気は人にはよく効く。
「…そうか、その殺気、その気配が物語っておるよ。」
「ご無礼をお許しください、殿下。信用していただけたようでなによりでございます」
「其方、名はなんと申す」
「私は類と申します。」
「類か。では類。側近と共にレインのところへ参れ。」
こうして俺は王の側近と共に王子の元へ向かった。
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