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歯車は噛み合わない 15
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「たまたま飲んでた場所が近かったからだ。帰ると時間かかるだろ。早く寝たかったんだよ」
「でも、エッチしたら自分ち帰るより寝るの遅くなるんじゃないの?」
ニヤニヤしながら笑うマサルに苛立ちため息をつけば、けらけらと笑う。
「ま、なんでも来てくれてよかったよ~。今日はさ、仕事で特に疲れちゃってね。ずっと笑顔で喋るのも体力いるからね」
「どんな仕事だよ」
「あれ?やっとオレにも興味もってくれた?」
「そうじゃない。笑顔で喋り続ける仕事ってのが気になっただけだ」
するとまたマサルはクスクスと笑い俺の髪を撫でた。
「営業だよ」
「なんの」
「薬の」
「く、薬?!」
思いがけないワードが出てきて思わず語気が強くなってしまったが、マサルはあまり気にする様子もなく話を続けた。
「MRってわかる?医薬品扱ってるんだけどさ。病院とかに出向いて医師に少しでも多くの自社製品を処方してもらえるように情報提供をする仕事」
まさかマサルも医療関係の仕事についてるとは思わなかったので驚いて少しだけ言葉に詰まった。
「……ふーん、いつもヘラヘラしてるし向いてるんじゃないか?」
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