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逃げたくなる気持ち 2
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まるで心臓が耳元でなっているみたいに煩く感じる。
落ち着けるように呼吸を整えながら、もう一度その人物をそっと見た。
確かに職業はMRだと言ってたし、総合病院に出向くとも言ってた。
でも、こんな偶然いらない。
まさか、神崎が言ってたMRがマサルのことだったなんて。
あり得ない。
「野村くん!早くコーヒー買いに行ってよ」
「いや、やっぱりコーヒーはやめた」
「え、何言ってんの!?」
頼むから、ここで騒ぐのはやめてほしい。
万が一マサルに見つかったら最悪だ。
神崎には悪いがこの場を立ち去ろうとした時、逃がさないとでも言われているかのように神崎に白衣の裾を捕まれた。
「お、おい。神崎!!」
そして神崎は力任せにじりじりと自販機の方へと引っ張って行こうとする。
今、マサルはかろうじて自販機の陰に少し隠れる様に立っていて、はっきりとは見えない。
だから今のうちに帰りたいのだが、神崎は更に引っ張った。
「はやくコーヒー買いなさいよ。奢るから」
「もうコーヒーいらねぇって」
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